カワラナデシコを見てよみがえった、仕事上の苦い思い出

秋の七草のひとつ、カワラナデシコが好きです。
繊細な花弁が優しく、ひかえめに咲いている様子は、日本の女性を感じさせます。

ところがです!茶道のお稽古に使うため育て始めると茎が乱雑に伸びて「なんてお行儀の悪い花かしら!」とがっかりしたわけです。しばらくして知ったのですが、水のやり過ぎが原因で茎が伸びたらしいのです。
何事もやり過ぎはいけません。良かれと思ったことが、残念な結果に終わることほど悲しいことはありません。

ずいぶん古い話ですが、あるお客様からブローチの留め金の修理を頼まれました。長い間、使い込まれたシルバー素材のブローチ枠はずいぶん黒ずんでいました。修理後、黒ずみを取り、綺麗に磨きをかけてお渡ししたのですが、「古いアンティークな感じが良かったのに・・!」と残念なお顔をされて、大変申し訳ないことをしてしまった大失敗の思い出があります。

お客様と密にコミュニケーションを交わしながら取り組む姿勢を、この経験で学ばせていただきました。